このところ、年末調整や生命保険料控除など、税金が戻ってくる話を続けて書いてきました。今回は、もっと身近な「ドラッグストアのレシート」の話です。
風邪薬や湿布、目薬などの市販薬を買ったレシートで、税金が戻ってくる制度があります。「セルフメディケーション税制」といいます。実はこの制度、今年の12月で終わる予定だったのですが、続けられることが決まりました。
結論:市販薬の税金の制度は終わらない。2027年からは胃腸薬も対象に
財務省の「令和8年度税制改正の大綱」で、次のことが決まっています。
- 病院の薬から市販薬になったもの(スイッチOTC医薬品) ― 期限がなくなり、ずっと続く制度に
- それ以外の対象の薬 ― 5年延長
- 2027年分から追加 ― 胃腸薬、せき・たんの薬(一定の生薬を含むもの)、一部の検査薬など
- 2027年分から除外 ― やせる・美容のために使われるおそれのある薬
そもそもどんな制度?
1年間(1月〜12月)に、対象の市販薬を1万2,000円より多く買った場合、その超えた分を所得から差し引いて、税金を安くしてもらえる制度です。
- 控除額 ― 1年間の購入額 − 1万2,000円
- 上限 ― 8万8,000円
- 対象 ― 自分だけでなく、生計を一にする家族の分も合計できます
対象の薬は、パッケージに専用のマークが付いていて、レシートにも★などの印がつきます。
いくら戻ってくる?
所得税10%・住民税10%の人を例に計算してみました。
- 年1万2,000円以下の人 ― 戻りなし
- 年3万円買う人 ― 控除1.8万円 → 約3,600円
- 年5万円買う人 ― 控除3.8万円 → 約7,700円
- 年10万円以上買う人 ― 控除は上限の8.8万円 → 約1万7,800円
※所得税(復興特別所得税を含む)と住民税の合計の目安です。税率によって金額は変わります。
家族の分も合わせられるので、花粉症の薬や湿布を毎月のように買う家庭だと、思ったより早く1万2,000円を超えるかもしれません。
正直に言うと、私はこれまでドラッグストアのレシートを、もらったその場で捨てていました。年に数千円とはいえ、知らずに捨てていたのかと思うと、ちょっと悔しい気持ちになりました。
ふつうの医療費控除とどちらを選ぶ?
病院代などが多い年に使える「医療費控除」とは、どちらか一方しか使えません。
- 医療費控除 ― 病院代・薬代などが年10万円(所得が少ない人は所得の5%)を超えた分が対象。上限200万円
- セルフメディケーション税制 ― 対象の市販薬が年1万2,000円を超えた分が対象。上限8万8,000円
大きな病気やけがで病院代がかさんだ年は医療費控除、そうでない年は市販薬の制度、と考えると分かりやすいです。
受けるための条件と手続き
1. 確定申告が必要
会社の年末調整ではできません。翌年2〜3月の確定申告で申請します。
2. 健康診断などを受けていること
会社の健康診断、特定健診、予防接種、がん検診など、健康づくりの取り組みをしていることが条件です。
3. レシートを保管しておく
申告のときに提出は不要ですが、税務署から求められたときに見せられるよう、5年間保管しておく必要があります。
今日からできる3つのこと
1. ドラッグストアのレシートを捨てない
★などの印がついたものは、封筒にまとめて入れておきましょう。今年の分は12月31日の購入分までです。
2. 今年の健康診断の結果を確認しておく
条件を満たしているか、受けた健診の書類を手元に置いておくと安心です。
3. 年末にレシートを合計してみる
1万2,000円を超えていれば、確定申告で申請する価値があります。
まとめ
- 市販薬の税制は2026年末で終わらず、続くことが決定
- 年間の購入額が1万2,000円を超えた分が控除(上限8万8,000円)
- 2027年からは胃腸薬なども対象に
- 受けるには確定申告と健康診断などが必要
- ふつうの医療費控除とはどちらか一方
今日から、レシートを入れる封筒をひとつ用意しようと思います。胃腸薬が対象になる来年は、忘年会シーズンのお世話になる薬も入るので、少し楽しみです。
次回も、暮らしのお金に関わる話を調べてみます。
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)、国税庁「セルフメディケーション税制」の案内。戻る金額は当ブログで計算した目安です。
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