今日(11月6日)、厚生労働省が9月の給料の統計を発表しました。毎年この時期には、今年の夏のボーナスの結果も一緒に出ます。9月の物価の記事で「給料の伸びが物価を上回っている」と書きましたが、その続きとして見てみました。
結論:給料は4.6%増、実質賃金は9か月連続プラス
- 9月の給料 ― 1人平均31万1,409円、前年より4.6%増
- 実質賃金 ― 2.2%増で、9か月連続のプラス
- 夏のボーナス ― 平均44万8,765円、前年より5.3%増
- ただし ― 年末にかけて物価の上昇が強まるとの見方もあり、プラスが続くかが焦点
9月の給料の中身
- 給料全体(現金給与総額) ― 31万1,409円(4.6%増)
- 基本給にあたる部分(所定内給与) ― 27万9,182円(3.7%増)
- フルタイムの人 ― 40万1,722円(5.0%増)
- パートの時給 ― 1,463円(5.4%増)
4.6%という伸びは、1997年1月以来の高さと報じられています。基本給にあたる部分が9か月続けて3%以上伸びているのは、33年11か月ぶりだそうです。春の賃上げが、毎月の給料にしっかり表れてきた形です。
なお、調査の対象になる会社は毎年一部入れ替わります。同じ会社どうしで比べた数字でも、給料全体は4.4%増でした。
物価と比べると
「実質賃金」は、給料の伸びから物価の上がり分を差し引いたものです。9月の物価(持ち家の家賃換算分を除く)は2.4%の上昇。給料の伸び4.6%がそれを上回り、実質賃金は2.2%増となりました。
数年前まで「給料は上がっても物価に追いつかない」というニュースが続いていたことを思うと、9か月続けてプラスというのは、久しぶりに明るい数字だと感じます。
夏のボーナスの結果
- ボーナスがある会社の平均 ― 44万8,765円(去年は42万6,337円、5.3%増)
- ボーナスのない会社も含めた平均 ― 38万1,899円(5.9%増)
- 給料の何か月分か ― 1.04か月分(去年は1.02か月分)
- 30人以上の会社 ― 52万2,724円(5.2%増)
夏のボーナスの伸び率は、2022年から2.4%、2.0%、2.3%、2.9%ときて、今年は5.3%。少なくともこの5年では、いちばん大きな伸びでした。
「大手は100万円超え」とはだいぶ違う
今年の夏は「大手企業のボーナスが初めて100万円を超えた」という話題がありました。経団連の集計(大手163社)では104万2,537円です。ただ、これは従業員500人以上の大手の数字。全体の平均44万8,765円と比べると、2倍以上の差があります。
業種による差も大きく、ボーナスがある会社の平均で見ると、こうなっています。
- 電気・ガス業 ― 97万3,325円
- 金融業・保険業 ― 76万3,612円
- 製造業 ― 62万2,575円
- 卸売業・小売業 ― 39万438円
- 医療・福祉 ― 29万8,773円
- 飲食サービス業など ― 8万1,647円
ニュースで見る「100万円」と、多くの人の実感との間には、だいぶ距離があるようです。
冬のボーナスはどうなる?
伊藤忠総研は、今年の冬のボーナスを前年比1.8%増と予想しています。去年の冬(2.8%増)より伸びは小さくなるものの、増える見通しです。ほかの調査機関の予測は、これから出そろう見込みです。
一方、第一ライフ資産運用経済研究所は、物価の上昇率が年末から来年初めにかけて3%を超えると予想しています。そうなると、実質賃金が一時的にマイナスになることも十分考えられる、との見方です。12月使用分から電気・ガス代の補助が始まるものの、プラスが続くかは物価しだいといえそうです。
今日からできる3つのこと
1. 自分の給料を去年と比べてみる
去年の源泉徴収票の「支払金額」と、今年の見込みを比べると、自分の給料が何%伸びたかが分かります。4.6%と比べてどうでしょうか。
2. 冬のボーナスは「手取り」で使い道を考える
ボーナスからも社会保険料と所得税が引かれます。額面の8割前後を目安に予定を立てると、あとで慌てずに済みます。
3. 年末調整の書類を忘れずに出す
今年の減税分は12月の給料で戻ってきます。来年の給与明細の変化はこちらの記事、年末の期限は締め切りカレンダーにまとめています。
まとめ
- 9月の給料は4.6%増、約29年ぶりの高い伸び
- 実質賃金は2.2%増で9か月連続プラス
- 夏のボーナスは44万8,765円(5.3%増)。大手の104万円とは2倍以上の差
- 冬のボーナスは1.8%増の予想(伊藤忠総研)
- 年末にかけて物価が上がれば、実質賃金がマイナスに戻る可能性も
値上げの総まとめを書いたばかりなので、給料が物価以上に伸びているという数字には少しほっとしました。冬のボーナスの予測が出そろったら、また調べてみます。
次回も、暮らしのお金に関わる話を調べてみます。
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年9月分結果速報等」(2026年11月6日)、経団連「2026年夏季賞与・一時金 最終集計」、伊藤忠総研「2026年夏のボーナス予測」、第一ライフ資産運用経済研究所「消費者物価指数(全国・2026年9月)」、日本経済新聞の報道。金額はいずれも事業所規模5人以上の速報値で、確報で改訂されることがあります。
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