昨日の記事では、2026年の食品の値上げが2万327品目にのぼったことを書きました。上がる話ばかりで気が重くなっていたところ、調べてみると大きく値下がりしている身近な食品がありました。お米です。
結論:お米は5kg 2,788円。1年前より1,420円安い
- 最新の平均価格 ― 5kgで2,788円(全国のスーパー・10月19〜25日の週)
- 1年前との差 ― 4,208円から1,420円安い(33.7%減)
- 値下がりの流れ ― 11週連続。3,000円を下回るのは7週連続
- これから ― 在庫が多く、値下がりが続くとの見方。ただし国は来年の生産を減らす目安を示した
この1年でここまで変わった
農林水産省が毎週発表している、全国約1,000店のスーパーのデータです。
- 2025年末〜年始(12月29日〜1月4日の週) ― 4,416円
- 4月上旬 ― 3,873円
- 7月下旬 ― 3,198円
- 9月上旬 ― 2,971円(ここで3,000円割れ)
- 10月下旬 ― 2,788円
年始の4,416円と比べると、1,628円の値下がりです。銘柄米は2,811円、ブレンド米などは2,678円で、値段の差もかなり小さくなっています。
なぜ下がった? ― 理由は3つ
1. 作る量が2年続けて多い
2026年産の主食用米の作付面積は136.0万ヘクタールで、近年で最も広かった2025年産とほぼ同じ。収穫量は約741万トンの見込みで、当初の目安だった711万トンを上回っています。
2. 在庫が積み上がった
国の備蓄米を除いた民間の在庫は、6月末で243万トン。過去最大の規模とされています。
3. 新米が安く、去年のお米も値引きされている
安い新米が本格的に出回り始めたうえ、古米になる2025年産を安く売る動きも重なっていると報じられています。
お店に並ぶ前の卸の段階では、下げ幅はさらに大きくなっています。9月の取引価格は玄米60kgで2万1,293円と、前年の同じ月より42%安い水準でした。
物価の統計にも表れています。9月の消費者物価は全体で2.1%上がりましたが、米類は20.6%の下落でした。
家計にはいくら効く?
1年前の値段と今の値段の差(5kgで1,420円)で計算してみました。
- 2か月に1袋 ― 年に約8,500円
- 月に1袋 ― 年に約1万7,000円
- 月に2袋 ― 年に約3万4,000円
※今の値段の差が1年続いた場合の当ブログの目安です。
値上げのニュースが続くなかで、年に1万円を超える「下がる話」は久しぶりです。正直なところ、これは素直にうれしくなりました。
これからどうなる?
10月30日の国の審議会で、次の方針が示されました。
- 2027年産の生産量の目安は693万トン ― 2026年産の当初の目安より18万トン少ない
- 備蓄米を10万トン追加で買い戻す ― 11月の収穫量の見通しを確認して判断。進行中の21万トンと合わせて31万トン
- 民間の在庫は来年6月末でも250万〜267万トンの見通し
買い戻しとは、国が以前に放出した備蓄米を市場から買って戻すことで、その分、市場に出回るお米が減ります。それでも在庫は多いままの見通しで、当面は値下がりが続くとの見方が報じられています。
ただ、来年の生産が減れば、いつまでも下がり続けるとは限りません。去年の値上がりを思い出すと、「安いのは今だけかもしれない」くらいの気持ちで見ておくのがよさそうです。
農家の側では心配の声も
安くなるのは買う側にはありがたい話ですが、作る側には厳しい話です。JAが農家に前払いするお金(概算金)は、主な産地を含む16道県で前年より2〜4割安くなったと報告されています。一方で、肥料や燃料の費用は高いままです。
去年は高くて困り、今年は安くて農家が困る。お米の値段がここまで大きく上下するのは、誰にとっても落ち着かないものだと感じました。
今日からできる3つのこと
1. 袋の「産年」を見て選ぶ
「令和8年産」が今年の新米です。去年のお米と値段や味を比べてみると、自分に合う一袋が見つかりやすくなります。
2. 買いだめはしない
値下がりが続いているうちは、食べきれる分だけ買えば十分です。精米したお米は時間がたつと風味が落ちます。
3. 献立をごはん中心にしてみる
パンは来年の値上げがすでに判明しています。いまのお米の値段なら、ごはんを増やすのも家計の工夫のひとつです。
まとめ
- お米は5kg 2,788円。1年前より1,420円安い
- 11週連続の値下がりで、卸の値段は前年より42%安い
- 理由は多い生産量、過去最大規模の在庫、安い新米
- 月に1袋買う家庭なら、年に約1万7,000円の差
- 国は来年の生産を減らす目安を示しており、ずっと下がるとは限らない
なお、お米も食料品なので、審議中の消費税1%の法案が成立すれば、来年4月からさらに安くなる可能性があります。こちらは動きがあればまた書きます。
今年の新米を炊いて、値上げ続きの疲れを少し癒やそうと思います。
次回も、暮らしのお金に関わる話を調べてみます。
出典:農林水産省「スーパーでの販売数量・価格の推移」(2026年10月30日公表)「令和8年産の水田における作付状況について」、総務省「消費者物価指数 全国 2026年9月分」、JAcom 農業協同組合新聞(9月の相対取引価格、2027年産の需給見通し)、共同通信・NHKの報道、松平尚也氏の解説(Yahoo!ニュース エキスパート、2026年9月10日)。家計の金額は当ブログで計算した目安です。
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