おととい書いた日銀会合の前の記事で、「結果が出たら続報を書きます」とお約束しました。今日(10月30日)、その結果が発表されたので、家計の目線でまとめてみました。
結論:金利は1.25%のまま。ただし「物価2%」を初めて認めた
- 政策金利 ― 1.25%程度で据え置き(予想どおり)
- 物価の判断 ― 基調的な物価の上昇が「2%の物価安定の目標とおおむね整合的な水準」と、2013年に目標を掲げてから初めて認めた
- 次の利上げ ― 12月の会合で1.5%に上げるとの予想が多い
- 住宅ローン(11月) ― 変動金利は大手5行とも据え置き、10年固定は4行が引き下げ
今回の会合で決まったこと
日銀は、政策金利を1.25%程度に据え置くことを決めました。9人の委員のうち8人が賛成し、1人の委員は1.5%への利上げを提案して反対しました。
同時に公表された「展望レポート」(これからの物価や景気の見通し)では、生鮮食品を除いた消費者物価の上昇率の見通しがこうなっています。
- 2026年度 ― 2.5%(前回と同じ)
- 2027年度 ― 2.6%(前回の2.4%から引き上げ)
- 2028年度 ― 2.0%(前回と同じ)
来年度の見通しが引き上げられた理由として、夏以降の原油価格の上昇などが挙げられています。物価は「まだしばらく2%台が続く」という見方です。
「物価2%を認めた」って、どういうこと?
日銀は2013年から「物価が安定して2%くらいずつ上がる経済」を目標にしてきました。今回初めて、「基調としては、その目標とおおむね合う水準になった」と判断したことになります。
ただ、植田総裁は会見で、これは目標を持続的・安定的に達成したという宣言ではないと説明しています。日銀の役目が「物価を2%に上げる」ことから「2%くらいで安定させる」ことへ移った、と受け止めるとわかりやすいかもしれません。
10年以上かけた目標に一区切りがついたというのは、ニュースとしては大きな節目です。ただ、家計の実感としては「物価は上がるもの」という状態が続くということでもあり、少し複雑な気持ちになりました。
預金と住宅ローンはどうなる?
預金
今回は据え置きなので、前回の記事で書いたとおり、大手銀行の普通預金は11月2日から0.5%に上がります(9月の利上げを受けたもの)。100万円で年5,000円(税引き前)の利息です。
住宅ローン(11月の金利)
同じ今日、大手銀行が11月の住宅ローン金利を発表しました。
- 変動金利 ― 大手5行とも据え置き
- 10年固定 ― 三菱UFJを除く4行が引き下げ(0.14〜0.52%)。みずほ銀行は3.400%、三井住友銀行は3.700%
- 三菱UFJ銀行の10年固定 ― 0.14%引き上げて3.890%
固定金利が下がったのは、最近、長期の金利が下がったことを反映したとみられています。
12月に利上げされたら?
専門家の予想では、12月の会合で1.5%に引き上げ、その後も2027年にかけて少しずつ上げていくという見方が出ています(大和総研など)。
もし変動金利が0.25%上がると、残り25年の住宅ローンでは、毎月の返済がこれくらい増える計算です(前回の記事の試算)。
- 残高2,000万円 ― 月 約2,300円増
- 残高3,000万円 ― 月 約3,400円増
※元利均等返済の当ブログの試算です。今借りている人の返済額に反映される時期は銀行や契約によって異なります。
東京の10月の物価も発表
同じ今日の朝、全国の先行きを占う東京23区の10月の物価も発表されました。生鮮食品を除く総合で前年より2.6%上昇(9月は2.7%)。9月にあった水道料金の特殊な押し上げはなくなった一方、電気代と都市ガス代が前年より上がる側に変わりました。夏の補助が終わった影響が、さっそく表れはじめています。
この流れは、昨日の記事で書いた「12月からの電気・ガス補助の再開」で、冬の間は少し和らぐ見込みです。
今日からできる3つのこと
1. 変動金利の人は「12月」に注目
次の会合は12月です。返済予定表で、金利の見直し時期と5年ルール・125%ルールの有無を確認しておきましょう。
2. これから借りる人は、固定金利も比べてみる
11月は10年固定が下がった銀行が多い月です。変動と固定、両方の金利を見比べる良い機会です。
3. 預金の利息を確かめる
11月2日からの0.5%で、自分の普通預金の利息がいくらになるか計算してみると、お金の置き場所を考えるきっかけになります。
まとめ
- 日銀は政策金利を1.25%で据え置き(8対1)
- 基調的な物価が2%目標とおおむね整合的と、初めて判断
- 物価見通しは2027年度2.6%に引き上げ。次の利上げは12月が焦点
- 11月の住宅ローンは変動据え置き、10年固定は4行が引き下げ
- 普通預金は11月2日から0.5%
「物価が上がる時代」と「金利がある時代」が、いよいよ本格的に始まったと感じた一日でした。次の12月の会合も、このブログで追いかけたいと思います。
次回も、暮らしのお金に関わる話を調べてみます。
出典:日本銀行の公表(2026年10月30日の金融政策決定会合・経済・物価情勢の展望)、日本経済新聞・NHK・共同通信・時事通信の報道、大和総研・OANDA証券の分析、総務省「東京都区部 消費者物価指数 2026年10月中旬速報値」。返済額は当ブログで計算した目安です。この記事は一般的な情報の紹介で、借り換えや金融商品をすすめるものではありません。
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